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三浦弘之将棋プロ九段のスマホ不正カンニング疑惑問題の個人的検証

将棋界の一大スキャンダル、三浦弘之九段のスマホ不正カンニング疑惑事件に急展開がありました。

 

今回のスマホ不正カンニング疑惑の告発者である渡辺明竜王が、記者の取材に対して

「自分は三浦九段の処分を強要した発言はしていない」と答えたのです。

 

この発言に先立って将棋連盟、島理事は「渡辺竜王が疑惑のある棋士(三浦九段)とは対局はできない。(受け入れられなければ)自分が竜王を剥奪されても構わないと言った」という発言しています。

 

これは渡辺竜王の発言とは完全に矛盾しています。

 

いったい、何が起こっているのでしょう?

 

 

無理筋だった三浦九段への処分

 

スマホ不正カンニング疑惑がテレビや新聞で報道されたとき、プロ将棋界最高峰のA級棋士がそんなことをするのかという驚きがありました。

 

テレビのワイドショーでは、三浦九段が繰り返し離席する映像ビデオ(疑惑のある対局ではない)が繰り返し流され、ハッキリしないながらも、全体として三浦九段がスマホでカンニングをやった可能性が高いという雰囲気でした。

 

すべてのプロ棋士を統括する将棋連盟が、黒と認定して処分したのだから、まあ間違いないだろうという論調になるのは仕方ないのかもしれません。

 

しかし、私は次のような理由から、「三浦九段は陥れられたのではないか」と考えるようになりました。

 

 

 ①カンニング疑惑の聴取をした常務会の翌日、つまり、たったの1日で三浦九段の棋戦出場停止、竜王戦タイトル挑戦権取り消しの処分が下った。

 

②将棋連盟が三浦九段の処分発表した記者会見において、スマホカンニング疑惑問題については調査は打ち切りと宣言した。

 

③三浦九段の反論文の後、週刊文春から三浦九段有罪を印象付けるような内容の記事が出てきた。調査する側の将棋連盟が、わざわざ週刊誌まで使って三浦九段を貶める異様さを感じた。

 

④三浦九段側からの反論文に説得力を感じた。疑惑を持たれているなら、自分のPCやスマホを信用できる調査会社に調べてもらって構わないと。

 

⑤週刊文春によると、連盟幹部は三浦九段がスマホを使った自宅PCの遠隔操作で将棋ソフトを動かしてカンニングしたと見ている。にもかかわらず、公式の記者会見ではそのような発言はまったくしておらず、三浦九段提出のPCの調査もしていないという。

 

⑥週刊文春によると、渡辺竜王はソフト「技巧」と三浦九段の指し手の一致率が異常に高い対局をいくつか発見し、三浦九段はカンニングしていると確信したと言う。しかし、選択肢の少ない将棋の終盤だけをピックアップした場合、一致率が高くなるのは当たり前で、羽生三冠や渡辺竜王でも同様の調べ方をすれば一致率は高くなる。また、三浦九段は自宅研究で技巧を使用していたので、研究内容が技巧と一致するのも当たり前と言える。

 

⑦三浦九段が一手指すごとに不自然な離席を繰り返したり、離席の時間が数十分に及んだことが、疑惑を深める一つの原因だったと言う。しかし、疑惑があるとされる対局において、観戦記者の証言では、三浦九段には一手ごとに離席するといった行為はなく、むしろ相手より離席が少ない印象だったとのこと。

 

⑧ソフトとの一致率や離席が多いという件は三浦黒を裏付ける証拠と位置付けられているが、連盟から、それらに関するデータが公式に提示された事実はない。

 

⑨三浦九段に疑惑が掛けられているとされる4つの対局のうち、2局で対戦した丸山九段が「三浦九段に対して怪しいと思ったことはなかった」「連盟が三浦九段を処分したことは納得いかない」と証言した。

 

 

 

将棋連盟側の主張は三浦九段がスマホとパソコンを遠隔操作で対局中に使用して、ソフトの指し手をカンニングをしたということなので、処分の根拠として、三浦九段が実際にスマホを見ていた現場を押さえたとか、怪しい回線記録が存在したなどの「物証」が不可欠なはずですが、まずそれが提示されていません。

 

これだけの処分をしたのだから、実際には物証があるのに、三浦九段に温情を掛けて発表しないだけだろうと見る向きもありました。

 

しかし、三浦九段反論などでこれだけこじれた状態になっても、連盟側からの物証のアナウンスがないことを考えると、確証が一つもない状態で三浦九段に処分を下したのではないかというとんでもない事態まで考えられるのです。

 

また、スマホ不正疑惑の状況証拠といえるソフトとの一致率というのは、千田五段と言う人の主張が根拠になっているようです。ただしそれは、三浦九段処分のために恣意的に作ったと思われる内容で、他の棋士での検証などはいっさいされていません。

 

そんないい加減なデータで三浦九段を処分できるのか、ちょっと信じられない話ですが、将棋連盟が公式の記者会見で一致率の話をしないところを見ると、一般社会には通用しないという自覚はあるようです。

 

ここまで至ると、疑惑自体が存在しない可能性まで出てきたのです。

 

ハッキリ言って三浦九段は、単なる言いがかり、つまり「冤罪」で処分されたという可能性が非常に高いと言えます。

 

この冤罪の構図がメディアを通して明らかになるにつれ、三浦九段を処分した側の将棋連盟や渡辺竜王の言い分に食い違いが出てきたのは、自分たちの矛盾が露呈してきたのではないかと思います。

 

頭の良い将棋プロ棋士が判断したことだからたぶん間違いないんだろうと即断しがちですが、そこで思考停止せずに情報を客観的に判断しなくてはいけないのだなと改めて実感しました。

 

 

将棋連盟の対応は日本の弱点の縮図

 

子供のころから将棋ファンだった自分にとって、今回のスマホ不正問題は本当に残念な出来事でした。

 

なぜこのような不祥事が起こってしまったのかですが、ネット上では次のような意見が取り沙汰されています。

 

 

①渡辺竜王と三浦九段の不仲は以前から有名で、渡辺竜王の私怨があった。

 

②スマホの将棋ソフトレベルですでにプロ棋士の実力を凌駕しつつあり、プロ棋士同士で相手がカンニングをしているのではないかという疑心暗鬼が生まれつつあった。

 

③竜王位スポンサーの読売新聞が黒幕で、スポンサー費用の引き下げを狙っている。

 

 

もちろん真相はまだ闇の中ですが、今後将棋連盟と三浦九段の交渉の中で明らかになっていくかもしれません。

 

 

私が一番問題視したいのは、日本将棋連盟の一連の対応です。

 

①常務会という密室で三浦九段一人をスマホ不正をやっているという前提で圧力をかけたこと。

 

②その聴取した日からたったの一日で、しかも証拠も何もない状態で三浦九段を処分してしまったこと。

 

③メディアの力で自分たちの判断を肯定させ、三浦九段の社会的抹殺を図ったこと。

 

これらは日本の検察警察の密室取り調べによる冤罪づくりと構図がそっくりだと思います。

 

日本古来の文化を守る立場の将棋連盟(公益社団法人)が、このような冤罪事件的な行為を平然と行っているとしたら、もしかすると日本の文化そのものに隠蔽的な体質が潜んでいるんだろうかと考えたりします。

 

日本古来と言えば、大相撲でも八百長問題がありました。

相撲協会の隠蔽的な体質がよく取り沙汰されていますが、こちらは評議員などに元力士以外の第三者を入れています。

意思決定する常務理事が現役棋士と連盟職員のみで構成される将棋連盟は、現状では相撲協会にも及ばないと言えるのではないでしょうか。

 

そういうわけで、私は今回のことでちょっと将棋が嫌いになりました(笑)。

 

私のような人間が増えないためにも、将棋プロ棋士の総意として自浄機能を発揮する必要があります。

 

具体的には将棋連盟は執行部を刷新することで、隠蔽冤罪的な体質を改めていくべきでしょう。

 

さらに、常務理事に将棋連盟関係者以外の人を入れることも必要です。

狭い「将棋村」だけの視点では、一般社会とかけ離れた判断になることは当たり前と言えます。

 

その上で、今回のスマホ不正疑惑が間違いだったと明らかになった場合は、三浦九段に心からの謝罪および金銭的補償を行ってほしいです。